既に先週の話だがJava One Tokyoに参加してきた。
色々なメディアで既に報道されているのであまり私ごときが語ることはないのだが、はてなキーワードではFreeBSDが人気があるようなので、少しそれ関係の話題をふっておく。
参加の時代ということでMustang(JDK6.0)はソースとバイナリが毎週スナップショットとして公開されている。これについてのライセンスは3種類あるのだが、再配布を行うにあたっては結局JDKの互換性テストを行わなければならない。確かこれは有償であり、JBossがSunと険悪だったころはこれで相当揉めていた。
初日(Day0)の一番最後に以下のようなBOFが行われた。
http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2005/11/09/javaone1/
この記事でも触れられているのだがQ&Aがとても熱かった。最初は皆遠慮していたのだが、一人が始めたとたんに堰を切ったようにあふれ出した。
特にFreeBSDの開発者ですが、と断りを入れて始められた方の質問は切り口が鋭かった。やはりFreeBSD陣営のJavaへの不満は大きいのだろうか。前向きにLicenseの見直しを図って行きたいと答えられていたと思う。
以下、手元のメモから質問と答えを移してみると、
- Q: 他のプラットフォームへの移植は可能か?
- A: 商用なら不可。研究なら可。
- Q: 新人が学ぶのにお勧めのバージョンは?
- A: Tiger
- Q: 商用LinuxのディストリビューションになぜJDKを含めていけないのか?
- A: 互換性の考慮のため。できるようにライセンスを見直している。
- Q: API別の使用率はある?
- A: ない。調べられない。
- Q: 急いでバグを直して欲しい時は?
- A: SDNに入ってVoteしてください。
- Q: Appleに日本語でバグ報告をしたら英訳して伝えてくれたが?
- A: 今は英語でしか受け付けられない
- Q: 将来、ライセンスを緩める気はあるか?
- A: 未定
さて、上の記事ではHarmonyの話題が出ている。
上記のようなラインセンスにまつわる不満を読んでいるとやはり自由なJavaが欲しい陣営の気持ちもわかる。しかしHarmonyが出ても多くの会社では使えないのではないだろうか。Harmonyが出ればそれをサポートする会社は直ぐに出てくる気はするのだが、今現在を見回しても小さな会社で十分なサポートが得られるのか不安である。*1
大手ではIBMかBEAが行う可能性があるようにも感じられるが、両者とも自社製品の一部としてのみ販売・サポートを行うだろう。そうするとJavaを採用したはずなのに、両者の製品に見事にロックインされてしまう。
どうもまだHarmonyのある未来に不安だ。始まってしまえばうまくいくのだろうけども。今回Javaは10周年ということで非常に派手にお祝いをしたわけだが、これまでの10年も決して平坦な道のりではなかった。これからの10年も負けずに大変だろうと思う。
*1:技術力ではなく、優秀な人的リソースの量の面で。